ヨガのアーサナを通して学ぶ「中心軸」「呼吸」「調和」

それはそのままスウェディッシュマッサージの学びでもあります。

先日のスウェディッシュマッサージのクラスでのことです。

ある受講生のアロマセラピストさんが、
スウェディッシュの基本の手技であるエフルラージュで「深さ」を出せずにいました。
とても丁寧で、やさしいタッチ。けれど、どこか浅く表明的に感じてしまう。。。

それよりも、本人がすごく無理している感じだったのです。

そのとき私が伝えたのは、
「手で押そうとしないで、体の中心から動かしてみましょう」ということでした。

ヨガをやっている生徒さんだったので、

「ヨガのダウンドッグみたいに体を使ってみて」と言いました。

その瞬間、彼女の身体の使い方が変わったのです。

ヨガのダウンドッグでは、手で床を押し込むというよりも、
足裏で地面を感じながら、背骨の軸を通して
全身で重力とつながっていきます。

スウェディッシュマッサージのエフルラージュも、まったく同じなのです。
“手で押す”のではなく、“全身で触れる”。

足裏から生まれた力が、背骨、肩、腕を通り、
自然に手のひらへと伝わっていく。
まるで呼吸のように、力がめぐっていく感覚。

このとき、手は「力んで押す道具」ではなく、「流れを伝える器」になります。
手のひらの圧は深く、けれど柔らかく、受け手の身体の奥にまで届いていくのです。

それを体感した彼女は、エフルラージュが一気に変わりました。

何度か練習するうちに、まるで波がゆっくりと岸に寄せてくるようなリズム。
その流れには、安心感と包まれるような温かさがありました。

彼女自身も、
「今まで、がんばって手だけで押していたんですね……」
と、ぽつり。

多くのアロマセラピストさんは「優しさ」や「癒し」を大切にされています。
でも、やさしい=浅い、ではありません。
手を通して全身のエネルギーを使うと、
本当に深く、心地よい“やさしさ”が生まれるのです。

スウェディッシュマッサージはまさに、
その“全身で触れる”智慧を教えてくれるマッサージ。
筋肉の流れに沿って、血液やリンパの巡りを助けながら、
施術者自身も呼吸とともに整っていくセラピーなのです。

だから、深く届き、施術が終わってもその心地よさが続きます。

ヨガ経験者や愛好者の方であれば、この感覚はきっとピンとくると思います。
ヨガのアーサナを通して学ぶ「中心軸」「呼吸」「調和」。
それらをそのまま“人に触れる技術”へとつなげていくのが
スウェディッシュマッサージの醍醐味です。

ヨガで自分と向き合うように、
スウェディッシュでは「相手の身体を鏡にして自分を観る」。
触れることは、意識をひとつにする行為でもあります。

私は、スウェディッシュマッサージを学ぶことは、
単に「技術を身につけること」ではないと思っています。
それは、「人に触れる」という行為を通して、
自分自身の生き方や、心の在り方を整えていく学びです。

人体を学ぶことは自分を知ることになります。

人を癒やすことは自分の意やしへとつながっています。

“もっと結果を出したい”と思うアロマセラピストさん、
“触れること”を通してヨガの学びを深めたい方、
そんな方にこそ、ぜひスウェディッシュマッサージを体験してほしいのです。

押さない。がんばらない。
けれど、深く届く。そして、施術が、人とのつながりが楽しくなってくる。

それが、FLOWボディセラピースクールの伝えたい
スウェディッシュマッサージのやさしさであり、
ヨガとも通じ合う「真のリラクゼーション」の形だと思います。